ブリンカーとディスプレイ

競馬馬のなかにはブリンカーをつけて走る馬がいる。ブリンカーというのは、馬の目のまわりをおおうようにして視野を狭くする装置のことで、気が散らないようにさせて、まっすぐ前向いて走るようにさせるための仕組みである。

63歳の私だが、年齢の割にはパソコンを触っているほうだと思うが、パソコンで作業している状態は、とても疲れる。肩は凝るし、目は疲れる。

その原因の一つは、ディスプレイを凝視し続けることにあると思う。

視野の真ん中を、場合によっては、そのほとんどを占有するディスプレイを眺めるということは、眼球や、脳の視覚野を固定させて使うことに近いだろうから、緊張状態が続くのだと思う。

要するに、視覚と視覚情報処理系が「凝る」のだと思う。

パソコンのディスプレイは、人にとってのブリンカーなのだと思う。

今はやりの、ひょっとしたら、ホチキスみたいに一般名詞化されてしまいそうな勢いのZoomを使って会議をしたことがある。

これ、各自が気を散らす工夫が必要な気がした。

私は教育支援業だから、授業の配信や遠隔授業はもっと研究したいが、ディスプレイを通じた授業は、受ける者にとってはブリンカーである。もっとも、ゲームおたくはそれを何時間も続けるのだから、やっぱり健康に悪いよねということだろう。

想像してみよう。教室の真ん中あたりのちょっと窓よりの生徒がいる。その生徒から見える黒板あるいはホワイトボードは視野を独占しない。教壇に立つ先生の動きを追って目は、あるいは首や体が動く。

ときどき、窓の外をちらっと見て、雲の動きに気がとられる。あるいは、ちょっと気になる異性の生徒をチラ見する。

映像授業は、通信教育の手段として魅力的である。したがって、教室授業の中継だけではそのメリットを十分に果たさないだろう。

画面設計や、補完的な教材とのリレーショナルな活用が必要だと考える。

私も、YouTubeチャンネルを開設して日々研究している。通学授業が始まっても必要だからだ。

よかったら、ご笑覧ください。

https://www.youtube.com/channel/UCP6WAmAJ75NoxUMHTIQYNyg?view_as=subscriber