2021年度の大学入試状況

大学入試には、実施の早い順に、おおむねAO入試、推薦入試、これも一般と指定校の2種類があり、それが一段落すると、大学入学共通テスト(旧センター試験)、一般入試と続く。

AO入試や推薦入試は、高校からの成績が大学へと送られない限り実施できない。そして今現在は、高校も大学も授業すら開けないでいる。オンライン授業はIoTインフラが整っているところだけが始まっているだけで、はたして、推薦入試選抜の資料としての高校の成績が整うのかという疑問がわく。

つまり、授業の消化範囲が大きく異なる学校間の成績をそのまま用いてよいのかという疑問がある。

また、大学の機能が著しく制限されている現在では、いくらZoomによる会議があっても、準備ができるのかという疑問もある。

以上のことは玉突き現象として、一般入試まで影響するだろう。入試問題の作成だって、当事者間のすり合わせが必要だし、もし、冬になってから新たな流行が始まったら、入試会場に集めての筆記試験が行えないということになる。

事実、司法試験や弁理士試験などは延期措置が取られている。

以上のことを考えると、2021年度の大学入試は大幅な変更が予想されるとみてもよいかもしれない。

単に日程だけではなく、実施方法や内容についてもだ。

ひょっとしたら模擬試験の偏差値が意味を持たなくなるかもしれない。

さらに言えば、志望学部の変動もあるかもしれない。

一言で言えば、医療系や医学部偏重が崩れるかもしれない。

医療・医学は本来リスキーで重労働。患者の足が遠のけば必然的に収入の大幅減少となり、困難な入試を乗り越えられれば、あとは富裕層として楽に生きらるみたいな幻想が崩れるとしたら、それそれで結構なことと思う。

それはそれとして、入試対策としての授業から、本来あるべき、知的行動としての授業が復活するといいなあと思う。点数さえ稼げればいいんだよという姿勢から、過去の人間たちが築いてきた知性に対して、なぜという問いかけをする姿勢を取り戻してほしい。最短距離で合格させますみたいな金融活動みたいな受験準備学習が終わってほしいと思う。